ロマのフ比嘉さんインタビュー

パーソナルCGアニメというアプローチ | FOCUS | dof
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われわれが比嘉氏のスタジオを訪れた2005年6月には、スタジオに居たのは比嘉氏のみで、大きなプロジェクトがひと段落した静けさと脱力感が漂っていた。原作の漫画本や寝袋が散乱している様子が、ほんの数日前までここで繰り広げられていた彼たちの日々を物語っている。
 「今回は奇跡でした。絶対に6月〜7月ぐらいまではいくかな? と思っていたのですが、こんなに短期間で実現できるとは思っていませんでした」と比嘉氏。
というのも『TANK S.W.A.T.01』の映像企画が決定してからまだ1年も経っていないというから驚きである。
制作チーム専用のBBS(掲示板)を立ち上げたのが2004年8月、絵コンテなどの作業が始まったのが9月、そしてそのあたりからCGソフトを使ったモデリング作業が始まり、本格的な映像製作が始まったのは年が明けた2005年1月だという。
実作業の手が離れたのが今年の4月末とのことなので、比嘉氏を中止とした5名のメインスタッフにより、実質4カ月程で約30分の映像作品を完成させたことになる。

もちろん、冒頭でも触れたように、ここには「スポンサーの機嫌をとることなく、作家が思い描くままを表現する世界観」というアニメーターの信念めいたものが存在してはいるのだろうが、一方で商業アニメとしてのキャッチコピー的な肩書として使われている側面も多分にあるように思われる。


「僕はとくに、1人にこだわっているわけではありません」
この世界での活動が9年目を迎え、パーソナルCGアニメというジャンル担う旗手のように語られている比嘉氏は、そう語る。
「1人ですべてを完結しようとすると、その苦しさは並大抵なものではないんですよ。何といっても1人でこなせる作業量には限界があり、絶対的な作業量の限界はどうしようもありません。絵を書けるだけではアニメは完成しないし、音楽や演出とかもできなければいけないし、できないことが1つでもあると完成しません。だから自分にできないことをいつも仲間に助けてもらっています。」(比嘉氏)。
 パーソナルCGアニメというと、個人や少人数で気軽にやっているイメージもあるが、学生の自主制作作品とは違い、商業作品では納期もあればクオリティに関する厳しい評価もつきまとい、それが勝敗をわけることになる。市場評価を得られなければすべてが水の泡ということにもなりかねない。
視点を変えれば、そんな厳しさをパーソナル(個人)な領域で背中に抱えたアニメーターたちの挑戦でもあるようだ。

警察戦車隊 TANK S.W.A.T 01 official site
http://tank-swat.jp/