DoGAスタッフの著作権法への見解

インディーズアニメ振興NPOPROJECT TEAM DoGA」のスタッフ日記に
著作権法についての内容があった


DoGA日記 - ●「著作権システム」 7月15日(金) 記入者: かまた ゆたか
http://doga.jp/2005/reading/diary/200507.html#20050715kama

新聞等によると、映像などの著作権
処理システムが構築されるとか。インター
ネット等で映像を使用する際の著作権
処理を円滑にすることで、その利用を
促進するということらしい。まずは、著作権者の
検索サービスから始めるとか。


一見良いことずくめだが、どうも胡散臭い点が
ある。そう、音楽の著作権処理システムの
JASRACを思い出すからだ。


JASRACについては、詳しいわけではないし、不確かな
情報源だが、あまりよくない噂を何度も耳にする。
要するに、××××以下3行検閲による削除××××
していると。


だいたい、こういったシステムを、一事業者のみに、
独占的に扱わせるとろくなことがない。あっと
いう間に天下りなどの癒着構造ができ、お金が
無駄に使われるものだ。
(国もこの批判を受けて、数年前から他の事業者
の参入を認めたようだが、既に独占的な体制を
確立してからというのはアンフェアだ。)


実際、DoGAJASRACとは無関係ではない。
以前、JASRACから、CGアニメコンテストの上映会に
ついて、音楽使用料を払えとの文書を頂いたことが
ある。要約すると、
DoGAは、何かの上映会を行った。
・上映会なら上映作品にBGMが使われていたはずだ。
・ほとんどの曲はJASRACに登録されている。
・これらを無断使用するのは犯罪行為だ。
JASRACにお金を払え。


しかし、皆さんもご存じの通り、当コンテストでは、
基本的に既存のBGM等を使用することは禁じられており、
その種の曲があった場合、BGMの差し替えを行うなど
適切な著作権処理が行われている。


上映会でも、まぁ、スタッフが操作を誤って某らの曲が
一瞬流れるようなことがあるかもしれないが、基本的にすべて
オリジナル曲しか使用していない。休憩時間中の曲も
メテオールさんがコンテスト用に作曲してくれた曲を
流している。


会場にも来ず、調べもせずに、最初から人を犯罪者
呼ばわりするのは、いささか疑問があると思うが?
それに、非営利の無料の上映会でのBGM使用は
著作権法でも認められるはずだ。


第一、どんな曲が使われたかも調べてないのだから、
もし使用していても、当方が支払ったお金が、その曲の
作曲者にちゃんと還元されるか、かなり疑問である。


それ以外にも、例えば「TANK S.W.A.T.01」のテーマソングの
「空模様」だが、Re+saさん側とも相談した結果、JASRACには
登録しない方針となった。
なぜなら、へたにJASRACに登録すると、「TANK S.W.A.T.01」の
イベントなどで流す際にも、JASRACに使用料を払わないと
いけなくなるからだ。


著作権者自身や、著作権者が認める第三者が使用するのは
自由にすべきではないか?


ということで、今回の映像の著作権処理システムも、映像の
利用を円滑にという目的以外に、JASRACと同じように
映像で甘い汁を吸おうという意図が見え隠れするような気が
するのだ。


ぜひ、映像の著作権処理システムを構築するのは進めて
欲しい。でもそれは一事業者のみに特権を与えるのではなく、
自由に参入できるようにすべきだ。そして、著作権者への
還元率やサービスが良いところに、沢山の映像が集まる
ことで、サービスの適切な競争が行われるようになって欲しい。

文中の「映像などの著作権の処理システム」ってのは
これの事だと思う


asahi.com: 映像作品の著作権、一括管理へ 経団連がシステム創設へ?-?文化・芸能
http://www.asahi.com/culture/update/0714/001.html

放送済みのテレビ番組などの映像作品をインターネット上で配信する際、作家や出演者らの著作権などの権利処理を円滑に進めるためのシステムづくりに、日本経団連が乗り出す。権利関係者の検索や許諾手続きがネット上でできる体制づくりをめざすもので、07年度から段階的に運用を始める方針。民放キー局やネット関連企業が動画配信事業に参入する動きが相次いでいるが、手間のかかる権利処理作業が最大の障害になっていた。システム整備で「放送と通信の融合」が加速しそうだ。


 経団連は、ネット上につくる専用サイトでのシステム運営を検討している。テレビ番組や映画、ゲームなどの作品をデータベースに登録。ネット上に流すなどして再利用したい場合、出演者や原作者など権利をもつ関係者を検索する。作品名だけでなく、俳優や作家名からも作品を検索できるようにする。


 当初は検索サービスから始め、その後、利用の許諾請求から、利用料の支払い・受け取りまでネット上でできるシステムにする。経団連は「音楽業界での日本音楽著作権協会JASRAC)のような、権利処理の窓口に当たる機能をめざす」としている。


 映像作品の輸出拡大に向け、海外からも利用できるようにする考えで、経団連は「海外にも売り込みやすくなり、映像コンテンツ産業が大きく育つきっかけになる」と期待している。


 システムづくりのために、経団連は関係団体に呼びかけて06年度に協議組織を設立する考えだ。テレビ局や映画会社、アニメ制作会社のほか、作家や脚本家、俳優の団体などの参加が見込まれている。過去の作品情報などを持ち寄ってデータベースをつくり、システムを運営する団体の構成などを話し合う。


 国内では推定で年間数百万本の映像作品が制作されているため、データベースづくりや管理・運営には年数億円程度の費用がかかるとみられている。経団連は政府に財政支援を求める考えだ。


 映像作品は、出演者や原作者、脚本家、音楽の作曲・演奏者など権利をもつ関係者が多い。テレビで放送される映画やテレビ番組の再放送など、あらかじめ作者や出演者らから再利用の了承を得ている例を除けば、ネット配信などで利用する場合、多くの権利者を探し出して許諾を得る必要がある。配信事業に参入した企業の間からは「権利者が見つからず、ネットでの配信をあきらめた作品もある」という声も出ていた。


 ニッポン放送買収をめぐる争いの中で、ライブドアが「通信と放送の融合」を主張したのに対し、フジテレビジョンは「権利処理に手間がかかり、番組のネット配信は難しい」として否定的な立場を貫いていた。


こういう内容を億面無く書いてしまうところが
DoGAのいかにもアマチュアっぽいところだとは思うが
僕は嫌いじゃないなあ 


いくつか補足:
メテオールさん」とはインディーズアニメ製作チーム「メテオール」のこと
DoGACGアニメコンテストでも何度か受賞している


「TANK S.W.A.T.01」とはCGアニメーターロマのフ比嘉さん製作の
CGアニメーションで、公式サイトはこちら
原作は「攻殻機動隊」「アップルシード」の士郎正宗