パンツを脱いだサル―ヒトは、どうして生きていくのか
- 作者: 栗本慎一郎
- 出版社/メーカー: 現代書館
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (26件) を見る
本は読んでないけど、この書評が面白かった
ともに The Hindy Quest 過去文書庫 - 御大久々の進化論より
いわゆる「陰謀論」にまつわる部分について、
本書が陰謀論かどうかは自分で読めばいい。ただ。いわゆる陰謀論の前提には「世の中には勝ち組と負け組がいる」という世界観がある。
それが本当かどうかはどうでもいい。とにかくその前提の上で「勝ち組の手の内は読めているんだぞおお!!」っていう「負け組」の遠吠えが「陰謀論」。本当に手の内が読めていれば「勝ち組」になれるだろうに。だから陰謀論者って陰謀論以外の本が書けないんだよね。「能力開発法」の本ばかり書いて何をしているかわからない人に似ている。
有能な人々の集団
自分の身のまわりに天才はいないだろう。でも居るところにはゴロゴロいるんだよな。しんじられないぐらい。天才も一人とかならいいんだよ。かわいいもんだ。でも集団でこられるとね。わかる?本書には我々とは全然スケールの違う有能な人間集団のことが書かれている。栗本はとびきり有能な人々を見ちゃったわけだ。つらいところだね。だれだって自分がサルだなんて気がつきたくない。しかも栗本には戦争体験がある。
戦時中に空襲を受けるなど、苦しんだ人間にとって、次々と資本と技術を導入して突き進む「能力の高すぎる集団(今のガンダムでいうコーディネーター)」を警戒するのは別に自然な反応だろう。有能であるのもよしあしで、遊び狂っていると反発され、マジメすぎると警戒される。我々無能ななサルにはわかりませんが、わけも分からず滅ぼされたくはない。だからってなんとかする力はないんだけどね。